「アトレティコ・マドリードって、なんであんなに守備が固いの？」そんな疑問を持ったことはありませんか？
その背後には、ディエゴ・シメオネ監督の緻密な戦術とチーム全体の献身があります。
彼の戦術を知ることで、サッカー観戦がさらに楽しくなること間違いなしです。
シメオネとは？
現役時代のシメオネ
ディエゴ・シメオネは現役時代、アルゼンチン代表としても活躍したミッドフィールダーでした。
闘志あふれるプレースタイルと優れた戦術眼を持ち、引退後すぐに指導者としての道を歩み始めました。
アトレティコ・マドリード就任
2011年にアトレティコ・マドリードの監督に就任すると、瞬く間にチームを立て直し、リーガ・エスパニョーラ優勝やチャンピオンズリーグ決勝進出など、数々の成功を収めました。
“El esfuerzo no se negocia”（努力は交渉しない）
2. シメオネ戦術の特徴
4-4-2の堅守速攻
シメオネの戦術の基本は、4-4-2フォーメーションをベースにした堅守速攻です。
2列の4人が密集し、コンパクトな守備ブロックを形成することで、相手にスペースを与えません。
ハードワークと規律
選手全員が献身的にプレーすることが求められます。
攻撃陣も積極的に守備に参加し、チーム全体でハードワークを徹底します。
高いプレッシングとカウンター
アトレティコは相手のビルドアップ時に素早いプレッシングを仕掛け、ボールを奪取した瞬間に素早くカウンターを仕掛けます。
特に、前線の選手たちが相手のパスコースを制限し、中盤の選手がボールを奪取することで、効率的に攻撃へ転じます。
フォーメーションの柔軟性
基本的には4-4-2を採用しますが、試合状況によって5-3-2や4-3-3に変化することもあります。
特に、リードしているときは5バックに変更し、より堅実な守備を敷くことが特徴です。
- アトレティコは コーナーキック、フリーキックからの得点が多い。
- 「高さ」を活かした攻撃（ゴディン、ヒメネス、サヴィッチなどの強力なCB）。
- シメオネは試合前に 相手のセットプレーの弱点を研究し、狙いどころを明確にする。
3. アトレティコの守備の芸術
サイドへの誘導
シメオネのチームは、相手の攻撃を中央からサイドに誘導することで、効果的な守備を行います。
サイドに追い込まれた相手は、選択肢が限られ、ミスを誘発しやすくなります。
この戦術により、相手の攻撃の脅威を最小限に抑えることができます。
数的優位の作成
守備時には、ボール周辺に複数の選手を配置し、数的優位を作り出します。
これにより、相手にプレッシャーをかけ、ボール奪取のチャンスを増やします。
アトレティコの選手たちは常にコミュニケーションを取りながら、組織的な守備を展開します。
トランジションの速さ
ボールを奪取した際、アトレティコは素早く攻撃に転じることを重視します。
カウンター攻撃を得意とし、少ないパスでゴールに迫るスタイルを採用。
特に、両ウイングとトップの連携が非常に重要で、速攻の精度を高めています。
- チームのために守備をする攻撃陣（例：ジエゴ・コスタ、スアレス）。
- ボールを持っていないときの動きも評価される。
- チームのハードワークを支える「見えない貢献」が不可欠。
4. シメオネの戦術が生んだ成功例
2013-14シーズンのリーガ制覇
アトレティコ・マドリードは、2013-14シーズンにリーガ・エスパニョーラを制覇しました。
バルセロナ、レアル・マドリードという2強が君臨するリーグでの優勝は、まさにシメオネ戦術の勝利でした。
チャンピオンズリーグ決勝進出
2013-14シーズン、2015-16シーズンのチャンピオンズリーグでは決勝まで進出しました。
特に2015-16シーズンは、レアル・マドリードとの激闘の末、惜しくもPK戦で敗れましたが、シメオネのチームは世界最高峰の舞台で実力を証明しました。
ヨーロッパリーグ制覇
2017-18シーズンには、UEFAヨーロッパリーグを制覇。
強固な守備と速攻を武器に、アトレティコはヨーロッパでも成功を収めました。
5. まとめ
ディエゴ・シメオネの戦術は、単なる守備的なプレースタイルではなく、戦術的に緻密に構築された「守備の芸術」と言えるでしょう。
アトレティコ・マドリードは、彼のもとでスペイン国内外で成功を収め、その名を轟かせました。
今後の彼の戦術の進化にも注目です。
シメオネの戦術を知ることで、アトレティコ・マドリードの試合がより面白くなるはずです。
ぜひ試合を観戦しながら、彼の戦術の巧みさを体感してみてください！
