サッカーを見ていて、「引いて守ってるなあ」と思ったことはありませんか?
それ、実はただ“守ってる”だけじゃなくて、ちゃんと名前のある戦術なんです。
その名も「リトリート」。
今回は、サッカー初心者の方でもわかりやすく、「リトリートとは何か?」「どんな場面で使われるのか?」を解説しつつ、海外のプロチームや選手のリアルな事例やエピソードも紹介します。
見た目は地味だけど、実は超大事な“守備の基本”。 これを知っておくだけで、サッカー観戦が一気に面白くなるはずです!
リトリートとは?|守備のリスクを減らす基本戦術

リトリート(Retreat)とは、相手にボールを持たれたときに、自陣に素早く戻ってブロックを作る守備戦術のことです。
特徴まとめ
- 高い位置でプレッシャーをかけず、自陣で構える
- 守備陣形を整えることが最優先
- 無理に奪いに行かず、失点リスクを減らす
いわば「撤退して備える」スタイル。無理に前から奪いに行って裏を取られるリスクを回避し、ブロックの中で相手の攻撃を受け止めることに特化しています。
ハイプレスとは真逆のアプローチですね!
リトリートが活きるシーンとは?
カウンター対策に最適!
相手に速攻の武器があるとき、前がかりに行くと一発でやられますよね。そんなときに、リトリートで素早く守備ブロックを整えると、スペースを消してピンチを未然に防げます。
強豪相手に有効な“受け”の戦術
自チームが相手より実力で劣る場合、リトリート戦術は超重要。 「守ってから攻める」「相手に持たせておいてチャンスをうかがう」みたいな割り切った戦い方ができます。
実際に、ワールドカップなどでは格上撃破の定番戦術でもあります!
有名チームや監督による“リトリート守備”の実例

アトレティコ・マドリード × ディエゴ・シメオネ
リトリート戦術の代名詞といえばこのチーム。
4-4-2のコンパクトな陣形で自陣に素早く引いて、ブロックをガッチリ固める。そして、一瞬のカウンターで刺す。
2016年のCL準決勝 vs バイエルン・ミュンヘン。 支配率20%台で試合に勝ったのは、完璧なリトリート+カウンターの完成形でした。
2016年のCL準決勝 vs バイエルン・ミュンヘン。 支配率20%台で試合に勝ったのは、完璧なリトリート+カウンターの完成形でした。
レスター・シティ(2015-16 優勝時)
クラウディオ・ラニエリ監督が率いたレスターがプレミアリーグを制したときも、リトリート戦術がベースでした。
- 相手にボールを持たせる
- 中央を閉じてサイドに追い込む
- ボールを奪ったらヴァーディに託して一気に攻撃!
“持たない勇気”が武器になることを証明したシーズンでした。
リトリート戦術を支える選手たちの動き
リトリートが機能するためには、それぞれのポジションの選手に重要な役割があります。
センターバック(CB)
- ブロックの最後の砦
- カバーリングとラインコントロールが命
サイドバック(SB)
- サイドを閉じつつ、中へのパスコースも消す
- 上がるタイミングは超慎重に!
ボランチ(守備的MF)
- ブロックの“前の壁”
- インターセプト、プレスバック、なんでもやる人
ウィング/FW
- 守備でも下がってライン形成
- チャンス時はカウンターの起点になる意識を!
リトリート守備で輝いた選手たちのエピソード
エンゴロ・カンテ(フランス)
リトリートの申し子とも言える守備職人。自陣に下がってからのボール奪取&即展開が武器。
2018年W杯ではフランスの中盤で相手の攻撃を片っ端から潰し、相手のリズムを完全にシャットアウトしました。
長谷部誠(日本/元フランクフルト)
リトリート戦術の中で、冷静なカバーリングとリーダーシップを発揮。
ブンデスリーガでは最終ラインで“守備の司令塔”として君臨。チーム全体のブロックが乱れたときには、すぐにポジショニングを調整して安定させるなど、まさにリトリートの要。
リヤド・マフレズ(元レスター)
攻撃的選手でありながら、リトリート時はしっかり自陣まで戻る意識を持ち、チームの守備に貢献。
ブロックが整ってからの一気の切り返し=カウンターの起点として、攻守で輝きました。
リトリートの課題と注意点

リトリートは万能ではありません。だからこそ、次の点には要注意です。
攻撃に移るきっかけを失いやすい
自陣に引きすぎると、ボールを奪っても攻めるスペースや人数が足りない状態に。
長時間守ると体力的にも精神的にもキツい
集中力が切れた瞬間に失点リスク大。
リードしているときの“逃げ切り”用?
実は“戦術としての選択肢”であり、先制していなくても採用されます!
まとめ
リトリートとは、相手にボールを持たせ、自陣に戻ってブロックを作る守備戦術です。
- 無理に取りに行かないから、守備のリスクを減らせる
- コンパクトな陣形で、相手の攻撃を“受け止める”
- カウンターと組み合わせれば、一発で仕留めるチャンスも
地味だけど、超重要な戦術。
プロの世界では、このリトリートを使って格上を倒すチームもいっぱい。
次に試合を観るときは、 「どこで引いてる?誰がラインを整えてる?カウンターの準備できてる?」 と、守備にも注目してみてください!
サッカー観戦がもっと深く、もっと楽しくなりますよ!