「後半ロスタイムは7分です!」
実況でよく聞くこのセリフ。でも、「そもそもロスタイムって何?」「なんでそんなに長くなるの?」と疑問に思ったこと、ありませんか?
この記事では、ロスタイム(アディショナルタイム)とは何か?その意味・決め方・延長戦との違いなど、初心者の方にもわかりやすく、そして興味深く解説します。
さらに、世界中で起こったロスタイムの“奇跡の逆転劇”や選手の名エピソードも交えながら、サッカーの「最後の数分間」がどれだけ熱く、ドラマチックな時間なのかを深掘りしていきます!
ロスタイムとは何か?アディショナルタイムとの違い

ロスタイム(Lost Time)とは、試合中にプレーが中断された時間を“補うため”に、試合の終了間際に追加される時間のことです。
近年では「アディショナルタイム(Additional Time)」という表現がFIFAや国際大会での正式名称となっており、意味は同じですが、
- 日本では「ロスタイム」と呼ばれることが多い
- 国際基準や放送では「アディショナルタイム」と呼ばれることが多い
という違いがあります。
なぜ追加時間が必要?
サッカーは時計を止めないスポーツなので、
- 選手の負傷対応
- 選手交代
- VAR(ビデオ判定)
- ゴール後のセレブレーション
- 遅延行為(時間稼ぎ)
などによって失われた「純粋なプレー時間」を取り戻すために、主審が「このくらい追加しよう」と判断するのがロスタイムです。
ロスタイムの時間は誰が決めてるの?

実は、ロスタイムは主審の裁量で決定されます。試合中に第4審判が掲示板で「+4」などと表示するのを見たことがあると思いますが、これは主審が試合を止めた時間を計算し、その分を補う「目安の時間」です。
ポイント
- ロスタイムにさらに時間が追加されることもある(ロスタイム中の負傷・交代など)
- 「表示された+5分で絶対終了」ではなく、主審の判断で“+α”されることがある
これが時にサポーターをドキドキさせたり、怒らせたりする原因にもなっています(笑)
ロスタイムと延長戦の違い
サッカー初心者がよく混乱するのが、「ロスタイムと延長戦の違い」。
用語 | 意味 | 起こるタイミング |
---|---|---|
ロスタイム | 試合中に失われた時間を補う追加時間 | 前半・後半の終了前 |
延長戦 | 90分で決着がつかない場合に行う追加の試合時間 | トーナメントなど引き分け不可の試合 |
つまり、ロスタイムは通常の試合中に毎回あるもので、延長戦は勝敗をつけるための“延長プレー”です。
ロスタイムに起きた伝説の逆転劇エピソード

サッカーのロスタイムといえば、“最後の数分間のドラマ”が最大の見どころ。
ここでは、世界を震わせた逆転劇をいくつかご紹介します。
マンチェスター・ユナイテッド vs バイエルン(CL決勝1999)
ヨーロッパ中を震わせた試合。バイエルンが1-0でリードしていた後半ロスタイム、ユナイテッドが2点を叩き込み、逆転勝利で優勝。
「フットボールは90分で終わらない。ロスタイムこそが本番だ」
日本 vs イラク(W杯アジア最終予選 2013)
ロスタイムに本田圭佑のクロスから岡崎慎司が決め、W杯出場を確定させた劇的ゴール。
アグエロ(マンチェスター・シティ/2012 プレミア最終節)
マンチェスター・シティがリーグ優勝をかけた最終節。ロスタイム94分にアグエロが決勝ゴールを決め、44年ぶりの優勝を勝ち取る。
「AGUEROOOOOOOO!!!」という実況が世界中に響き渡った伝説の瞬間。
近年のロスタイムが長くなった理由とは?
近年の国際大会や主要リーグでは、ロスタイムが「以前より長い」と感じるケースが増えています。
特に話題となったのが、カタールW杯(2022)。
- 前半:6〜8分
- 後半:8〜10分
というロスタイムが“当たり前”のように取られたのです。
なぜ?
FIFAの意向で「よりプレー時間を正確にしよう」という流れがあり、
- ゴールセレブレーション
- VAR介入
- 選手交代
- 守備側の時間稼ぎ
などがきちんと反映されるようになったからです。
つまり、“ロスタイムが伸びた”のではなく、“ちゃんと取るようになった”というのが真相。
まとめ|ロスタイムは“もう1つの試合”!
- ロスタイムとは、試合中の中断時間を補う追加時間
- アディショナルタイムという名称が国際的に一般化
- 延長戦とは別物で、90分の中に毎試合設定される
- ロスタイムには数多くのドラマや伝説的ゴールが生まれてきた
- 近年はFIFAの方針により、より正確な時間管理が行われている
これからサッカーの試合を見るときは、「ロスタイムが何分か」に注目しつつ、 「あと何分で何が起きるのか?」という視点でも観戦してみてください。
たった1分で、サッカーはすべてがひっくり返る。 それが、このスポーツの最大の魅力でもあるんです!