カラバオカップ(EFLカップ)とは?優勝報酬や歴代優勝チームも解説!

プレミアリーグ

カラバオカップ、正式にはEFLカップ(イングリッシュ・フットボールリーグカップ)は、イングランドのプロサッカークラブが競い合う伝統的な大会です。

プレミアリーグやFAカップと並ぶ主要な国内カップ戦として、多くのサッカーファンに親しまれています。

この記事では、カラバオカップとは何か?、優勝するとどうなる?、歴代優勝チームはどこ?、などの疑問に答え、さらに大会の決勝でのエピソードをご紹介します。

カラバオカップとは?

カラバオカップは、1960年に創設されたイングランドの国内カップ戦で、プレミアリーグの20クラブと、EFL(チャンピオンシップ、リーグ1、リーグ2)の72クラブ、計92クラブが参加します。

大会はノックアウト方式で行われ、準決勝のみホーム&アウェイの2試合制、決勝はロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催されます。

大会名はスポンサー企業の名前により変遷しており、現在はタイのエナジードリンクメーカー「カラバオ」がスポンサーを務めています。

過去には「ミルクカップ」や「カーリングカップ」などの名称で親しまれてきました。

優勝すると?

カラバオカップの優勝チームには、賞金として10万ポンド(約1500万円)が授与されます。

これはFAカップの優勝賞金と比較するとかなり控えめな金額です。

しかし、優勝チームには翌シーズンのUEFAヨーロッパカンファレンスリーグへの出場権が与えられるため、国際舞台での活躍を目指すクラブにとって重要な大会となっています。

歴代優勝チーム

カラバオカップの歴代優勝チームには、イングランドの名門クラブが名を連ねています。

特にリヴァプールは最多の9回の優勝を誇り、マンチェスター・シティも近年の活躍で8回の優勝を達成しています。

以下に、2000年以降の主な優勝チームをまとめました。

シーズン優勝チーム準優勝チームスコア
2000-01リヴァプールバーミンガム・シティ1-1(PK 5-4)
2001-02ブラックバーン・ローヴァーズトッテナム・ホットスパー2-1
2002-03リヴァプールマンチェスター・ユナイテッド2-0
2003-04ミドルズブラボルトン・ワンダラーズ2-1
2004-05チェルシーリヴァプール3-2(延長)
2005-06マンチェスター・ユナイテッドウィガン・アスレティック4-0
2006-07チェルシーアーセナル2-1
2007-08トッテナム・ホットスパーチェルシー2-1(延長)
2008-09マンチェスター・ユナイテッドトッテナム・ホットスパー0-0(PK 4-1)
2009-10マンチェスター・ユナイテッドアストン・ヴィラ2-1
2010-11バーミンガム・シティアーセナル2-1
2011-12リヴァプールカーディフ・シティ2-2(PK 3-2)
2012-13スウォンジー・シティブラッドフォード・シティ5-0
2013-14マンチェスター・シティサンダーランド3-1
2014-15チェルシートッテナム・ホットスパー2-0
2015-16マンチェスター・シティリヴァプール1-1(PK 3-1)
2016-17マンチェスター・ユナイテッドサウサンプトン3-2
2017-18マンチェスター・シティアーセナル3-0
2018-19マンチェスター・シティチェルシー0-0(PK 4-3)
2019-20マンチェスター・シティアストン・ヴィラ2-1
2020-21マンチェスター・シティトッテナム・ホットスパー1-0
2021-22リヴァプールチェルシー0-0(PK 11-10)
2022-23マンチェスター・ユナイテッドニューカッスル・ユナイテッド2-0
2023-24リヴァプールチェルシー1-0

カラバオカップにまつわるエピソード

カラバオカップは、数々のドラマチックな試合やエピソードで知られています。

激闘の試合

例えば、2012年の決勝では、リヴァプールがカーディフ・シティと対戦し、延長戦の末にPK戦で勝利を収めました。

この試合では、カーディフが下位リーグのチームでありながら、強豪リヴァプールを相手に粘り強い戦いを見せ、多くのファンに感動を与えました。

試合後には、リヴァプールのキャプテンであるスティーブン・ジェラードが、自身の従兄弟がカーディフ側でPKを外すというドラマもあり、特に記憶に残る決勝となりました。

「ジャイアントキリング」の舞台として

カラバオカップは、下位リーグのクラブが上位クラブを破る「ジャイアントキリング」の舞台としても注目されています。

2013年には、4部リーグのブラッドフォード・シティがファイナルに進出。

準決勝では、当時プレミアリーグのアストン・ヴィラを破るという大金星を挙げました。決勝ではスウォンジー・シティに敗れたものの、4部リーグのチームが決勝に進むのは史上初の快挙でした。

近年の注目ポイント

2022-23シーズンの決勝では、マンチェスター・ユナイテッドがニューカッスル・ユナイテッドを2-0で破り、久々のタイトルを獲得しました。

この試合は、ユナイテッドが新監督エリック・テン・ハグのもとで再建を進める中での重要な節目となりました。

一方、ニューカッスルはサウジアラビア公共投資基金(PIF)の支援を受け、クラブとして復活を目指している最中であり、ファイナル進出そのものが大きな話題となりました。

カラバオカップの意義

カラバオカップは、FAカップやプレミアリーグと比べて注目度が低いとされることもありますが、多くのクラブにとって重要な大会です。

特に以下の点で、その存在意義が高まっています。

若手選手の育成の場

プレミアリーグのクラブは、カラバオカップを若手選手の実戦経験の場として活用することが一般的です。

特にグループステージや序盤のラウンドでは、普段出場機会の少ない選手たちがチャンスを得て、チームにアピールする機会となります。

これにより、未来のスター選手が生まれることもしばしばです。

中堅クラブのタイトル獲得

カラバオカップは、リーグタイトルやFAカップの獲得が難しい中堅クラブにとって、タイトル獲得の現実的な目標となります。

これにより、クラブの士気向上やファンとの絆が深まる効果があります。

ビジネス的な価値

大会名にスポンサーの名前が冠されるカラバオカップは、企業にとっても重要なマーケティングの場です。

カラバオ(エナジードリンク)は、この大会を通じてヨーロッパやアジアでのブランド認知度を大きく向上させました。

スポンサーシップの成功は、大会の財政基盤を支える重要な要素となっています。

カラバオカップの今後

近年では、ヨーロッパ全体でカップ戦のフォーマットやスケジュールが議論の対象となっています。

過密日程の中で、カラバオカップの存在意義を問う声もありますが、若手選手の成長の場や中小クラブのチャンスとしての役割は依然として重要です。

また、近年のグローバル化に伴い、アジアやアメリカなどでのプレシーズンツアーや試合放映権の拡大が期待されています。

これにより、カラバオカップは国内大会にとどまらず、国際的な注目を集める機会を増やすでしょう。

まとめ

カラバオカップは、イングランドサッカーの伝統を象徴する大会でありながら、時代とともにその役割を進化させています。

若手選手の育成や中堅クラブのチャンス提供、さらにはスポンサーによるマーケティング効果といったさまざまな要素が絡み合い、今なお魅力的な大会であり続けています。

これからもカラバオカップが生み出すドラマや感動に注目し、サッカーのさらなる魅力を味わいましょう!