バイエルン・ミュンヘンは、ドイツを代表するサッカークラブであり、その歴史の中で数多くの名選手たちが活躍してきました。
今回は、バイエルンの歴史を彩ったレジェンドたちを紹介します。
フリック・バイエルンとは？
ハンジ・フリックがバイエルン・ミュンヘンの監督に就任したのは2019年11月のこと。
それまでアシスタントコーチを務めていた彼は、ニコ・コヴァチ解任後に暫定監督として指揮を執りましたが、圧倒的な成績を残し、正式に監督に就任しました。
フリック・バイエルンの主な戦績
- 2019-20シーズン：6冠達成（ブンデスリーガ、DFBポカール、チャンピオンズリーグ、DFLスーパーカップ、UEFAスーパーカップ、クラブワールドカップ）
- 2020-21シーズン：ブンデスリーガ優勝
このわずか1年半の間にフリックはバイエルンを世界最強のクラブへと導きました。では、なぜ彼のバイエルンはここまで強かったのか？その戦術と選手たちの活躍を分析していきます。
フリックの基本戦術：4-2-3-1フォーメーションとハイプレス
フリックは、4-2-3-1のフォーメーションを主軸に据え、攻守においてバランスの取れた戦術を展開しました。
高い最終ラインと積極的なプレス
バイエルンは高い最終ラインを保ち、相手陣内での積極的なプレスを仕掛けました。特に、ボールを失ってから10秒以内に再奪取を目指すという徹底したプレス戦術が功を奏しました。
ポゼッションと素早い攻撃の両立
フリックのチームは、ポゼッションを重視しつつも、素早い攻撃を展開しました。
ボール保持時には短いパスでリズムを作りながら、相手の守備組織を崩すことを狙い、ボールを奪った際には、素早く前線に展開し、相手の不意を突く攻撃を仕掛けました。
キープレイヤーたちの役割とエピソード
フリックの戦術を支えたのは、各ポジションで輝きを放った選手たちの存在です。
マヌエル・ノイアー（GK）：スイーパー・キーパーの先駆者
ノイアーは、ゴールキーパーでありながら積極的に前に出て守備を行う「スイーパー・キーパー」として知られています。
高い最終ラインを保つバイエルンにおいて、彼の広範囲をカバーする守備は不可欠でした。
ジョシュア・キミッヒ（DMF）：万能型ミッドフィールダー
キミッヒは、中盤の底からゲームを組み立てる能力に長けており、攻守両面でチームに貢献しました。また、必要に応じて右サイドバックとしてもプレーし、そのユーティリティ性が際立っていました。
トーマス・ミュラー（AMF）：スペースの解読者
ミュラーは、自身を「Raumdeuter（スペースの解読者）」と称し、相手守備陣の間に生まれるスペースを巧みに利用するプレースタイルで知られています。
ロベルト・レヴァンドフスキ（FW）：得点マシーン
レヴァンドフスキは、圧倒的な得点力でバイエルンの攻撃を牽引しました。特に、2020年のチャンピオンズリーグでは、15ゴールを挙げて得点王に輝き、クラブの優勝に大きく貢献しました。
アルフォンソ・デイヴィス（LB）：驚異的なスピードスター
デイヴィスは、左サイドバックとして驚異的なスピードを武器に攻守に渡って活躍しました。特に、2020年のチャンピオンズリーグ準々決勝でのバルセロナ戦では、右サイドを突破し、アシストを記録したプレーが話題となりました。
フリックのリーダーシップとモチベーション管理
フリックの成功は、戦術だけでなく、選手たちのモチベーションを高める能力にもありました。
選手との信頼関係
フリックは、選手たちとのコミュニケーションを重視し、個々の特徴を最大限に活かす采配を見せました。彼の指導の下で、多くの選手が飛躍的に成長しました。
メンタルの強化
フリックは、選手たちに「どんな試合でも主導権を握る」というマインドセットを植え付けました。その結果、バイエルンは試合の序盤から圧倒的なプレッシャーをかけ、相手を飲み込むような試合運びを展開しました。
2020年のチャンピオンズリーグ優勝の軌跡
フリック・バイエルンの最も象徴的な成功は、2020年のチャンピオンズリーグ優勝です。
歴史的な8-2の勝利
準々決勝でバイエルンはバルセロナを8-2で粉砕し、世界を驚かせました。この試合では、フリックの戦術が完璧に機能し、相手に何もさせない圧倒的な展開となりました。
決勝でのパリ・サンジェルマン戦
決勝では、フランスの強豪PSGと対戦。試合は拮抗しましたが、キミッヒのクロスからキングスレイ・コマンが決勝ゴールを決め、バイエルンが1-0で勝利しました。
まとめ：フリック・バイエルンの成功の秘訣
フリック時代のバイエルンは、
- ハイプレスと高い最終ライン
- ポゼッションと素早い攻撃の融合
- 選手たちの特性を最大限に活かす起用法
- メンタルの強化とチームの結束力
によって、無敵とも言える強さを誇りました。
わずか1年半で6冠を達成し、サッカー史に名を刻んだフリック・バイエルン。この成功は、今後のサッカー界においても語り継がれていくことでしょう。
